「部活動」日本の文化・スポーツの現状を知る!!#1

現役教師が中心となり部活動のリノベーションをめざして設立された「部活動リノベクエストLabo」の活動が本格化してきた。

設立の発起人である藤田晋太郎理事長が、地元大阪箕面市の情報誌「〜ひと まち 輝く〜Kirari キラリ」に特集されましたのでご紹介致します。部活動の現状と未来を知るきっかけになればと考えます!!


成長できるコミュニティをめざして「服」と「福」の循環で笑顔の連鎖を動いてみることで、地域のご縁が広がる喜び

NPO法人部活動リノベクエストLabo 藤田晋太郎さん

成長できるコミュニティをめざして

日本の中高生の文化・スポーツ活動の場として長い間独自の教育文化として重要な位置にあった部活動は、近年は少子化や教員の働き方改革などを背景に、変革の時を迎えています。「NPO法人部活動リノベクエストLabo」は、現役教員が中心となり、部活動の「リノベーション」をめざし設立されました。その理事長である藤田晋太郎さんにこれまでの経緯やめざすことなどを伺いました。

部活動をやりたくて、教師の道へ

 藤田さんは学生時代の部活動で自身の成長を実感し、そこに関わることを大きな理由として教師になったそうです。

 「部活動は学生たちが自主的にやるもの、というのが自分の中では一般的な感覚だったんです。自分たちで考えて、目標設定をして、上手くいかないことがあっても仲間の結びつきの中で乗り越える。こういったことは社会に出てからもすごく大事なことだと思います。学校のクラスという集まりではなかなかそこまでぶつかり合えないですが、部活という自分たちで選択して所属している組織だとそういうことができる、それを学生時代に経験することはすごく教育的意義があるのかな、と思います。」

 野球部顧問を務めた最初の高校ではプロのトレーナーや管理栄養士など複数の専門家がチームで指導する環境を作り、公立校の中ではそれなりに影響を与えるような事例となったそうです。そして次の高校では専門家チームによる指導に加えてfacebookを活用した外部への発信を始めました。保護者も含め100人くらいにfacebookのグループに入っていただき、保護者目線での情報やご意見もいただきながら、チームの方針を発信していったということです。

教員から起業家、NPO法人設立へ

 2つの高校での取り組みは成果をあげたものの、一方で「藤田先生だからできる」と特別扱いされることへの違和感は強くなりました。

 もともと教育の現場を経験した後に起業することは考えており、キャリアアップのために教育行政や大阪マラソン組織委員会事務局に所属している際に、部活動の支援プラ ットフォームアプリを開発している企業のかたからお声掛けがあり、教員を退職してともにベンチャー企業を立ち上げることになりました。

 「一旦学校現場の外に出ないと自分の考えている世界観は実現しないな、と直観的に思ったので。教員では起業する人は少ないと思います。自分としてはそのロールモデルになっていきたいな、と思っています。」

 さらにその後、成し遂げたい世界を実現させる組織としてNPO法人というかたちに可能性を見出します。

 「民間企業からもやってみようとか、テクノロジーでやってみようとか、国とも組んでやってみようとか、それも全部試したけど、もっと色んな人たちを巻き込んでいかないと間に合わないなと思って出たのがNPO法人という立ち位置だったんです。行政でも民間でもない第3の組織で、学校だったり企業だったり色々な立場に属している人たちが、NPO法人の中に入 ってしまえばそれぞれいち個人として共通する理念のために活動できる。これが非常に大事かな、と思います。」

めざしていくこと

 現在箕面市でも休日の部活動の地域移行の実証が一部で始まっていますが、部活動が結果として外部に開かれることになったことを藤田さんはチャンスと捉えています。

 「日本の中でもオリジナリティのあるものが、これまである意味学校の中に閉じ込められていたことはすごくもったいないことだったと思います。ただそこで教育的意義ということをふまえてうまく外部からデザインするのは至難の業だと思うので、それができるよう学校現場を経験した自分が本質的な部分を明確化していきたいと思っています。」

 藤田さんのいう「教育的意義」の本質とは、一言で言えば「子どもたちの主体性と選択性が担保されたうえで自己実現につながる環境づくり」ということです。そのために、学校の中だけの資源に限らず専門家、地域、民間企業など外部の資源を取り入れ、指導者は子どもたちのやりたい 欲 求を引き出し、子どもたち自身がやりたいことを実現できる、そんな環境をつくっていきたいと考えられています。

藤田晋太郎さん Information

北野高校・神戸大学卒。学生時代は部活動で野 球に没 頭し、社会人クラブチームでもプレーした後、大阪 府に教 員として採用。11年間教鞭を取った後、教育庁と大阪マラソン組織委員会事務局に配属となり、2022年に大阪府を退職。ベンチャー企業を共同創業して国との実証事業などを経験した後、2023年1月にNPO法人を立ち上げる。

団体情報

NPO法人部活動リノベクエストLabo

〒562-0013
箕面市坊島4丁目5番20号
みのおキューズモール WEST1-2F 
みのお市民活動センター内

HP:https://renovquest.org/