愛知県半田市「部活=学校」である必要はない!?
[愛知県半田市にある総合型地域スポーツクラブ「ソシオ成岩(ならわ)スポーツクラブ」]
社会環境の変化によって、子供たちがスポーツをする機会が減少してしまうのは残念なこと。
これまで学校が一手に担ってきた部活動は、その運営を見直す時期が来ています。
生徒・指導者の減少による部活動の存続問題を解決するには?多様化する子供たちのニーズに応えていくには?
その答えは総合型地域スポーツクラブや自治体との連携のなかから見出せるかもしれません。
地域が主体となって子供たちのニーズに応える 「総合型地域スポーツクラブ」
〜部活動の受け皿として期待される「総合型地域スポーツクラブ」〜
運動部活動ガイドラインでも示されているように、外部指導員の活用や地域との連携など、各地で部活動変革の試みが行われています。
一つの成功事例として愛知県半田市にある「ソシオ成岩(ならわ)スポーツクラブ」です。
同クラブは平成8年に設立された総合型地域スポーツクラブで、体育館やテニスコートなどを完備するクラブハウスは、半田市立成岩中学校の体育館の建替時に社会教育施設として設置され、半田市から指定管理を受けて同クラブによって運営されています。
学校・地域共同で利用できる施設として運用されているため、地域のコミュニティの拠点にもなっているのです。
同クラブのミッションは、「スポーツを通して、地域の子供たちを地域ぐるみで育てること」。
これまで学校が担ってきた部活動の実施主体をクラブが担い、地域・学校・行政が連携し、多世代にわたる住民スポーツサービスの充実を図ることを目指しています。
コミュニティスクールのスポーツ版
同クラブのマネージングディレクターを務める榊原さんは、「学校の部活動を『街の部活動』にしたいと考えて、中学校の部活動を外に出したんです」と、設立の経緯を語ってくれました。
榊原さんいわく、ソシオは地域と一体となって特色ある学校づくりを進める「コミュニティスクールのスポーツ版」。
学校の部活動の受け皿として機能するだけでなく、子供たちの放課後の居場所としても活用が広がっています。
平成30年7月現在の会員(ソシオ)数は2,800人超で、年々数を増やしています。学校で部活動に所属しながら週末にクラブに通う子も多く、学区外から足を運ぶ子も。
中学の部活動にない陸上や硬式テニス、チアリーディングやホッケーなどの種目に取組む子もいれば、中学の部活にあるバスケやバレーをはじめ、ホッケーでも元トップアスリートから指導を受けられるため、そこに魅力を感じて通う子もいます。
もっとうまくなりたい!他校の子たちとの交流が楽しい!
〜他校の生徒と関わりができて楽しいこと」をクラブのよい点として挙げています〜
「部活にない種目をしたい」「もっとうまくなりたい」「新しい仲間とスポーツを楽しみたい」「部活のように毎日ではなく、自分のペースでスポーツをやりたい」といった、子供たちの多様なニーズに応えているソシオ成岩スポーツクラブ。
そして、和気あいあいとスポーツに取組む子供たちの姿、理想的なスポーツクラブの運営形態がここにあります。
このような総合型地域スポーツクラブが、全国のあちこちで増えていけばと思います。
※資料URL:https://www.city.handa.lg.jp/bunka/sports/1002787/1002790/1002791.html
半田市内の総合型地域スポーツクラブの紹介
半田市では、全国的に先駆けて、半田市内5つの中学校区に総合型地域スポーツクラブが設立されました。
総合型地域スポーツクラブでは様々な種目のスポーツや文化活動を楽しむことができます。
半田市内の総合型地域スポーツクラブ
地区名 | スポーツクラブ名 | 設立年月 |
---|---|---|
亀崎中学校区 | スポーツクラブYOUKI | 平成11年5月 |
乙川中学校区 | 一般社団法人乙川スポーツクラブ | 平成13年5月 |
半田中学校区 | 半田地区スポーツクラブ | 平成15年2月 |
成岩中学校区 | NPO法人ソシオ成岩スポーツクラブ | 平成8年3月 |
青山中学校区 | あおやまスポーツクラブ | 平成13年3月 |
半田市の概要
半田市は、名古屋市の南、中部国際空港の東にあり、知多半島の中央部東側に位置しています。昭和12年に誕生し、平成20年の春には人口が12万人に達しました。古くから海運業、醸造業などで栄え、知多地域の政治・経済・文化の中心都市として発展してきました。